研修医はなにもできない?子供へついた忘れられないうそ

研修医生活お役立ち

 

ぼくは救急で小児を対応するときに心がけていることがあります

 

それは「うそ」をつかないということです

こどもへのルート確保、血液検査をする時つい言ってしまいがちなのですが

「いたくないよー」「すぐおわるよー」といったささいな嘘

そういった嘘はたとえ処置をスムーズに終えるためとは言え、純粋なこどもの心を傷つけます

 

なので僕はそういった言葉ではなく

「注射少し痛いけど病気治すために必要なんだ、頑張ってくれるかな」

「チクッとするとき痛いかもしれなけど、これをしないともっと痛くなっちゃうかもしれないんだ。嫌だよね、だから少し頑張ってみようか」

というようにしています

 

 

 

 

ある日の当直にその子は運ばれてきました

 

4歳の男の子の腹痛、腸重積疑い

来院したときには、言葉は発することはできるものの顔色が悪くぐったりしていて元気がありません

何度か嘔吐しているようで「脱水かな」と思いすぐに補液、血液検査、エコーにむかいました

 

いつものようにルート確保し、採血をするも末梢血管が閉まっているのか血液が全然引けません

僕「ごめんね痛いよね、もう一回チックンするけど良い?」

男の子 「ぼく強いから我慢できるもん」

僕「えらいねー、頑張るからごめんね」

 

ようやく採血ができる

すぐに補液を開始し、血液検査を提出します

 

僕「点滴入ったからね、今お薬入れてるからよくなると思うよ。頑張ったね!」

男の子「お腹痛いの治る?」

僕「いまから調べて治すから、きっと良くなるよ!お腹の検査行こうか」

 

その後エコー検査を行い腸管を見ます「腸重積ではなさそう、、」

「肝臓の周囲に、、、腹水!?出血にしては色がうすいかな、、、」

 

血液検査では高度な低タンパク血症、CK高値です

診断はついていませんが緊急の事態ですぐに入院

次の患者さんが控えていたのであとは小児科の先生にお願いすることにしました

 

 

他の患者さんの検査等で追われていたところ急に病棟からコールが来ました

 

「さっきの子が心停止です、すぐに来てください!」

急いで病棟に駆けつけるとすでにACLS(二次救命処置)が開始していました

心臓マッサージを交代し指示を受けます

 

泣き叫び「助けてください!!」と懇願する家族

内心動揺しながらも的確に処置をおこなうスタッフ

緊迫した空気の中ひたすら心臓マッサージを続けます

 

3時間以上続け、おびただしい数のアドレナリンの空き容器

けんめいに蘇生を試みるもまったく状態は変わらず心停止状態

父「先生、もうこれ以上はやめてあげてください、、」

しぼるように出たかすかな声と共に

交代しながらも終始続いてた心臓マッサージが終わりました

 

心停止のモニター音が鳴り響く病室の中

泣きながら膝崩れる母親、我を忘れ息子の名前を叫び続ける父

その他祖父母や親戚、多くの大人たちに見守られながらその子は亡くなりました

死にはあまりにも遠いはずの4歳という年齢

ついこの間まで普通に元気だったはずの我が子の死を受け入れられない家族

その場面場面がいまでもあたまから離れません

 

 

死因は不明ですが出血性腸炎、急性心筋炎が疑われるとのこと

 

 

 

来た時は普通にしゃべっていたのに、、

もっと早くルートを入れて検査結果がわかればICU管理をして助かったかもしれない、、

「良くなるよ」なんて1番のうそをついてしまったな、、

色々な後悔が残るけどどうすることもできません

 

 

これから先きっといろんな人の死に立ち会う場面があり、いつかはそれにも慣れて今ほど強く感じなくなるかもしれません

少し寂しくも思いますがそれが医者として強くなるということなのかもしれません

でもきっとこのときのことを忘れることはないと思います

今の気持ちのせめてもの覚書きとして

 

 

今回の記事はまったく読みやすくも面白いものでもありません

ここまで読んでいただいた方はありがとうございます

くれぐれも顔色がわるく元気のないこどもをみたらご注意を

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました