先日こちらの本を読みました。
最近話題のFIREムーブメントについての本です。
この本は
「中国の極貧家庭で育った女性が、31歳で100万ドルを貯めパートナーと共にFIREを達成するまでの半生」
が書かれたものです。
この本を読むと、FIREは再現性が高く特に医師はこれほどないぐらい有利な立場にある。
と感じる一方で、周りをみても実際に実現できる人はほぼいないだろうと感じました。
そこで今回は
- FIREが医師にとって有利である理由
- ほとんどの医師にFIREは実現困難である理由
を、本書の内容をふまえて書いていきたいと思います。
- FIREについてもっと知りたい
- いつかFIREしたい
こんな人にはタメになる内容だと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
FIREとは?FIREに必要な条件は?
FIREとはFinancial Independence , Retire Earlyの略で、経済的に独立して早期にリタイアすることです。
FIREの中でも色々な種類があるのですが、一例を挙げると、1億円ほどの金融資産を貯めてそれを年利4%前後で運用。
そこからの年400万円ほどの不労所得で生活をしようというような考えのことを指します。
FIREに必要な条件は?
FIREに必要なステップは次のとおりです。
- 理想とする生活を考え年間の支出額を計算する
- 年間の支出額の25倍の金融資産を貯めて運用
- 年間の資産所得が生活費を上回ればリタイア
このためには収入、投資、支出の3つのバランスが最重要と本書で書かれています。
(引用 FIRE最強の早期リタイア術)
つまり
- 収入を増やし
- 倹約で支出を減らし
- より確実に投資を行う
ことが必要です。
またFIREできる人はこの3つのうち2つが平均的でも、どれか1つが卓越した傾向にあるとしてます。
FIREが医師にとって有利な理由
FIREはその気になれば、医者にとっては抜群に有利です。
- 若いうちから高年収が約束されている
- 地方でも仕事があるうえに給料も高い
- リタイア後でも復帰しやすい
医師にはこのような性質があるからです。
若いうちから高年収が約束されている
医師は職業の特性上、20代で普通に年収1000万円以上の給料があります。
これは資産運用においてとても有利に働きます。複利の効果が効くからです。
たとえば同じ年利5%で10年間、資産を運用できると仮定したら
- 今100万円もらって運用:+628,894円
- 5年後に100万円もらって運用:+276,281円
となり、最終的に利益は倍以上の差がでます。
つまり同じ金額をもらえるにしても、早くもらえる方が資産形成においては有利なのです。
医者の給料は将来的に上がる幅は小さいですが、若い時から比較的に高給を得ることができます。
その元手をしっかり投資に回すことで、圧倒的に有利にFIREを目指せるのです。
地方でも仕事があるうえに給料も高い
作者は支出をおさえる方法として、生活費の安い地域や国に住むことを推奨しています。
しかしながら他の多くの職業では地方にはそもそも会社が少なかったり、あっても都会の方が給料水準は高いことがほとんどです。
その点、医者は生活費の安い地方でも仕事があり、むしろ給料も高いです。
地方でも仕事に困ることがなく、高いスポットのバイトもあるというのは特殊な状況と言えるでしょう。
恵まれた環境を活かし、地方で生活費を抑えながら高い給料を得ることができれば、FIREには圧倒的な近道です。
リタイア後でも復帰しやすい
FIREにおいてリタイア後に復帰しづらいという点はネックになります。
- リタイアした後に株が暴落して老後資金が枯渇
- リタイアしたは良いものの前の生活の方が楽しかった
- 不慮のトラブルで想定よりも資金が必要になった
このような時に、一度定職を離れて人的資本が目減りしてから仕事を探すのは至難の技です。
しかしながら医師の場合、このリスクがほぼありません。
医者免許さえあれば環境を選ばなければ、給料だけでも生活していけるからです。
そもそもFIREしやすい立場にあるうえに、リタイアした後にも保険が効く、医師ほどFIREに適した人材はなかなかいないません。
ほとんどの医師にとってFIREは実現困難な理由
FIREに圧倒的有利なはずの医師。しかしながら、実際に実現できる人はほとんどいないと思います。
その理由は以下のとおりです。
- レールから外れる心理的ハードルが高い
- 質素倹約ができる人は少ない
- 欠乏マインドがほとんどない
レールから外れる心理的ハードルが高い
多くの医師にとってFIREは心理的ハードルが高く困難です。
医者として働くためには
- 小さい時から高水準な教育を受けて
- 進学高へ行って大学受験を突破して
- 大学6年間を医学に費やし国家試験
- その後も初期研修や後期研修、専門医
など、いくつものハードルがあり、いわば決められたレールがあります。
当然のようにそのレールを走ってきたのに、いきなり仕事をやめてFIRE。
このような手の平返しをできる医師はそう多くはないはずです。
決められたことを効率よくこなすことに特化した医師が、自分の意思でFIREをするのは想像以上に心理的ハードルは高いでしょう。
質素倹約ができる人は少ない
医師は一般的にマネーリテラシーが低く、質素倹約できる人が少ないです。
冒頭でも述べたようにFIREには下の図の3つの要素が重要です。
(引用 FIRE最強の早期リタイア術)
医師の収入は平均よりは上でも、それだけでFIREできるほど突き抜けているわけではありません。
たとえ年収1000万円以上あっても
- 都内に住んで
- 車や時計にお金をかけて
- 娯楽をそれなりに楽しむ
このような状況ではなかなか資産を貯めることはできません。
つまり医師が給与所得だけでFIREするためには倹約生活は必須なのです。
マネーリテラシーが低く、浪費家にとってはFIREは現実的には難しいでしょう。
欠乏マインドがほとんどない
筆者は金銭的に苦労していた極貧生活の幼少期によって、「欠乏マインド」が養われました。
欠乏マインドによって金への執着が生まれ、経済的自由への渇望が行動の原理になったと語ります。
それに比べて医師に欠乏マインドがある人は多くありません。
比較的に裕福な家庭で育った人が多く、医師として働いていれば食べるのに困らないからです。
この辺の話はラス先生も前に記事にしていましたが、まず根本のメンタリティ的にFIREを強く願う人は少ないと思います。
なんとなく働いていれば生きていける状態で、FIREを実現するのは困難と言えるでしょう。
まとめ|医者×FIREはその気になれば抜群に再現性高い
今回見てきたように医師×FIREは圧倒的に有利ですが、なかなか実現できる人はいません。
しかしながら逆にいうと
- 給料以外の収入源を作る
- 開業やフリーランスで収入をバグらせる
- かなりの倹約で給料所得をコツコツ貯める
などの手段をとれば、再現性高くFIREを達成することは可能でしょう。
医師という立場はとても有利。その理を生かすも殺すも自分次第でしょう。
自分にとっての最適解をさがしてみてください。この記事が少しでも役に立てれば幸いです。
今回の内容はこちらの本を参考にしました。
FIREについてここまで詳しく書かれた本はありませんので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
FIREの実現にはそれなりの早くからの倹約がとても大事です。
大学生の方は今のうちに節約を身につけましょう。詳しくはこちらを参考にしみてください。
大学生でも出来る節約方法のまとめ【無理せず自然にお金を貯めよう】
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