
ハイパー病院ってブラックなのかな?
忙しい病院に行きたいんだけど少し不安
どういう病院で研修するのが成長できるんだろう?
こんな疑問に答えます。
「最初の2年間は忙しい病院が良い」そう考えてハイパーな病院で研修をしたいと考える医大生は多いです。
僕は結局ハイポな病院で研修をしているんですが、最初は急がしい病院も良いかなと考えていくつか病院見学に行ってました。
そこで見てきたことや後に友人たちから聞いた話からハイパー病院には
- やりがい搾取的なブラック病院
- 教育的なER病院
この2つがあると感じています。
そこで今回はハイパーな初期研修病院に行くならやりがい搾取的なブラッック病院ではなく、教育的な病院にした方が良い理由とその見分け方をご紹介したいと思います。
これを読めばブラックな研修生活に消耗することなく、成長を感じられる2年間にすることが出来ますよ。
ブラックなハイパー病院が消耗する理由
やりがい搾取が行われているブラックなハイパー病院、こういったところにだけは行くべきではありません。
その理由を説明します。
激務すぎる
まずシンプルにブラック病院は激務すぎます。
- 勤務時間は7-23時
- 夜間、土日関係なく呼ばれる
- 当直は月に6,7回
もはや都市伝説レベルだと思っていましたが、いまだにこんな病院はあるようです。
こんな生活が続けられるはずがありません。
裁量権がなく達成感がない
またこのようなブラック病院には研修医は激務が当たり前という風潮が蔓延しています。
入ったら最後、病院内のヒエラルキーの最下層に配属されることになります。
研修医の仕事は
- 誰でもできて
- 裁量権はなく
- ただの雑用
がほとんどです。
このような仕事ばかりしていると、達成感や充実感を感じられず精神的に消耗していきます。
体力的にも激務なうえに、一番下っ端としてこき使われる。
こんな環境でまともな研修なんてできるはずがありません。
成長を感じられない
これが1番の理由です。
いくら忙しくこき使われても、その下積みが成長に繋がるなら我慢できる。このような人はいるかもしれません。
しかし断言できます。ブラック病院で医師としての成長はありません。
病院が考えていることは研修医の成長なんかではなく、「いかに安い研修医の労働力を利用して効率よく病院を経営するか」だからです。
専門医による教育的な指導は皆無。
このようなブラック病院で2年間を無駄にすることだけは辞めましょう。
ハイパー病院へ行くならせめて教育的な施設へ
ハイパー病院へ行くならしっかりとした教育体制がとられているかを重視しましょう。
良い病院を見つけられれば忙しくても充実した研修医生活を送ることができます。
勉強しなくてはならない環境を得られる
教育的な施設に行くと研修生活を送る中で自然に研修医としての基礎知識を身につけることができます。
たとえばハイポ病院の多くはかなり自由です。
時間がありあまり、遊ぶのも自由だし勉強するのも自由。
自分で勉強しない人だと特に何もしないまま2年間が終わった。
このような状況も十分にありえます。
その点教育的ハイパー病院にいくと嫌でも患者を多く見て、その度にプレゼンや発表があり勉強しなくてはなりません。
自分では勉強できないから忙しい病院で強制圧力が欲しい。こういう人には教育的ハイパー病院がおすすめです。
モチベーションの高い人と出会える
教育的なハイパー病院は研修医もたくさんいることが多いです。
また3,4年目の専攻医も多いです。
若手で働き盛りの先生が多く、その分モチベーションの高い人と出会える確率は高いと思います。
誰と出会えるかは運次第になってはしまうのですが、母数が多い分確率が高いです。
逆にハイポ病院はこじんまりとした病院が多く人もさほどいません。
いろんな人と出会い刺激をもらうという意味でも、教育的ハイパー病院へ行くメリットはありそうです。
成長を感じられる
ブラック病院とは打って変わり、教育的で良性のハイパー病院へ行くことができれば成長を感じる研修医生活を送れるでしょう。
- そこそこ裁量権を与えられて
- 数多くの症例を経験し
- 医学だけに邁進できる
研修医生活を送る上でこれほど環境の優れた場所はありません。
またそこそこに忙しいと、やってる感が得られます。これは煽りじゃなくて本気にそう思います。
ハイポ病院でもたまに忙しいタイミングでイベントが起こると、不思議に充実感が得られるものです。
おそらくやった手技や当直回数,連勤でマウントを取り合う研修医も同じような感覚なのでしょう。
仕事でやりがいを感じたい、医業に没頭したいという人は教育的ハイパー病院がおすすめです。
教育的なハイパー病院の見つけ方
- やりがい搾取のブラック病院
- 教育的なハイパー病院
この2つは明確に区別すべきものですが、実は紙一重の存在でもあります。
どちらもその一面があるからです。
気をつけなかればしっかり学べるハイパー病院だと思って入ったところが、実はただ忙しくてブラックなだけだったということもありえます。
それを防ぐためにここでは教育的な病院へ行く確率を高めるために注意すべき点をお伝えします。
研修医プログラムがしっかり決められているか
基本的に研修医に対して教育的かどうかは指導医によって決まります。
よってどの先生につくかで当たり外れが大きいです。
しかしながら教育プログラムがしっかりしているような病院は、研修医を指導しようという風潮が大きいです。
- ローテートの順番がしっかり決まってる
- 勉強会や抄読会などが多い
- 内科は全部の科が必須
自由はありませんが、しっかり組み込まれているので指導体制もしっかりしています。
また体制がしっかりしている病院は方針が決まっているため、指導がしやすく熱心な指導医も多いです。
仕組みそのものがしっかりしている病院は教育的である可能性か高いです。

自由と教育的はトレードオフ
救急の専門医が豊富か
救急外来は研修医が主体的に診療に当たれる数少ない現場です。
救急の専門医が多いといろんな先生から救急診療のフィードバックを得ることができます。
病院によっては救急の専門医が1人しかいない病院もあったりします。
そういう病院では自分のしていることが正しいことなのかわからなかったり、その先生の癖によって診療の仕方が偏ってしまったりします。

なかには救急をほとんど研修医だけで回すような病院も
救急診療を正しく学ぶためにも救急の専門医が多くいる病院がおすすめです。
研修医の数は多め
研修医の数が多い病院は教育的な病院である可能性はとても高いです。
そういう病院はほとんどの科が常に誰かしら研修医がいることになります。
よって研修医の受け入れに慣れているため教育方針がしっかりしていることが多いです。
たとえば
- 研修医の数が少なくたまにローテしてくるだけの病院
- 研修医が複数人いつもローテしている病院
だと、後者の方が研修医の仕事がはっきりしていて明確です。
したがって研修医としての仕事をしっかり学びたいという人は研修医の数が多く、常にフルマッチしている病院を選びましょう。
まとめ|良いハイパーと悪いハイパーの見分け方
今回は良いハイパー病院と悪いハイパー病院の見分け方について解説しました。
まとめると
悪いハイパー病院、やりがい搾取のブラック病院に行ってしまうと
- ただの激務で
- 達成感がなく
- 成長を感じれない
ため、確実に消耗していきます。
その一方で教育的で良いハイパー病院に行けば
- 勉強しやすい環境を得られて
- モチベーションの高い仲間とつながり
- 成長を感じられる
充実した2年間を手に入れることができるでしょう。
その見分け方として
- 教育プログラムがしっかり決まっていて
- 救急の専門医が多くいて
- 研修医同期が多い
このような特徴の病院を選ぶことがおすすめです。
今回の内容は一部こちらの本を参考にさせていただきました。
マッチングを控えた医大生はぜひ読んでみてください。

上の本が特におすすめ
今回の記事が充実した研修医生活を送るためのお役に立てれば嬉しいです。
「教育的」と「自由でゆるい」はトレードオフ。
ハイポな研修医生活を送るためには逆の特徴を持つ病院を選ぶ必要があります。
ハイポ病院への行き方はこちらの記事を参考にしてください。
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