医学部で返済免除の奨学金・修学資金を借りる際の注意点【地域枠】

大学生活お役立ち

 

医学部に合格したけど返済免除の奨学金、借りる方が良いのかな?

医学部の返済免除の奨学金を借りる注意点とかってあるのかな〜?

こんな疑問にお答えします。

今回は医学部特有の返済免除をうたった医学修士奨学金・修学資金についてのお話です。

 

医学部の返済免除の奨学金はお金を借りながら大学にも通えて、医師として一定期間働けば数千万円というお金を返さなくても良いという一見聞こえの良い制度となっています。

しかしながら金銭的に普通以上の家庭でかつ一般入試で国立に合格した人には手放しでおすすめはできません

 

それでも家庭の都合上、学費や生活費のために借りた方が良さそうだし…

学力的にちょっと、地域枠入試や私立の医学部しか厳しそう…

 

このようにやむを得ない理由で医学部の返済免除の奨学金を借りるか迷っている、もしくはすでに借りてる方々もいるかと思います。

その場合でも今回お話する現状を知り将来のキャリアに対して備えることが重要かと思います。

 

そこで本記事では医学部の返済免除の奨学金についての注意点をご紹介したいと思います。

 

本記事の筆者の信頼性

  • 現役研修医
  • 医学部の奨学金を6年間借りてる
  • 友人や先輩にも同じ境遇の人あり
  • 運営本部に問い合わせた内容をもとに執筆

医学部の返済免除の奨学金・修学資金制度とは?

 

医学部の返済免除の奨学金制度とは地域医療の崩壊や地方での医師不足に対する政策として厚生労働省、文部科学省、総務省から打ち出されたものです。

これは地方の自治体や病院が奨学金を作って医学生の資金面でサポートをする一方で、卒業後にその自治体の指定する病院できめられた期間働けば返済を免除するという制度です。

 

この制度の内容は地域差もありますが大体こんな感じです。

  • 最大で6年間奨学金を受けられる
  • 金額は10万〜30万/月
  • 指定される勤務地は地方(僻地)
  • ある程度の勤務先の希望を伝えられる
  • 貸与期間×1.5年を働けば返済免除

 

そのほか一般入試とは別に『地域枠入試』などであらかじめ特別な枠を設けている大学もあります。

これで入学した医大生は一般入試に比べて学力的に優遇を受けるかわりに、奨学金をもらい卒業後の勤務先の指定を義務化されます。

自治医科大学や防衛医科大学とかもこの一種ですね。

 

 

え、すごい医師として働けばお金返さなくても良いの?

そうだよ!20万借りるとしたら6年間で1440万円。

このお金がもらえるってことだね、でもちょっと待って!!

 

 

ここまでを聞くとお金を借りて大学にも通えてさらに医師として働けば数千万というお金を返さなくても良い、とても良い制度のようにも思えます。

しかしながらこの医学部の返済不要の奨学金制度にはいくつかの注意点がございます。

以下その注意点をお伝えします。

 

返済免除の奨学金で医学部に行く注意点

医学部、返済免除の奨学金|注意点①キャリアの幅が狭まる

 

返済免除の奨学金を借りて医学部に行くことによって確実にキャリアの幅は狭まります。

一言で医師と言ってもそのキャリアはいろいろあります。

 

  • 臨床医ではなく研究の道に進む
  • 開業して病院やクリニックの経営者になる
  • 留学で海外や医局の関連以外の場所で働く
  • アルバイトや非常勤としてフリーランスで働く
  • 産業医や医療技官などの特殊な仕事をする
  • そもそも医者以外の職業につく

 

奨学金のしばりによってこれらの道に進むことはほぼ不可能です。(義務年限を終えてからに遅れます。)

なぜなら奨学金を借りて進学した卒業後には、常勤の勤務医として自治体に指定された公的病院で働くことが決められるからです。

 

つまり途中で「やっぱりこの仕事向いてないから辞めたい」と思ってもやめることはできません

しかもそれを大学に進学する(奨学金を借り始める)時点で決めなければならないのです。

人によっては18歳の時点で卒業後9年間の30半ばまでの将来が決まってしまうというのはけっこう酷な制度ですよね。

 

医学部の返済免除の奨学金を借りるということは自分の将来を切り売りしてお金を借りてるということを覚えておいてください。

いまから奨学金を借りようかと考えている人はこのことを十分に考慮して、それ相応の覚悟を決めてからにすることをオススメします。

 

医学部、返済免除の奨学金|注意点②途中辞退が困難

 

返済免除の奨学金を借りて医学部に行くと、途中で辞退はとても困難です。

そもそも地域枠制度や自治医科大学,防衛医科大学に入学すると、この途中自体は無理ですが…

 

また一般入試で医学部に進学した場合も途中で辞退するためには奨学金を返さなければなりません。

しかしながらこの奨学金を返済するときのルールが、どう考えても途中辞退できないようにしているとしかおもえない制度なのです。

 

例えば、僕の借りてる奨学金は地方国立大学の一般受験のものですが返済のルールとしてはこんな感じです。

  • 辞退の際に一括返済
  • 利子は借り始めから年利10%

僕の場合、月に20万円を6年間借りてたので1900万円程を一括で返済しなくてはなりません。

 

 

 

もっと金額が低ければいざとなった時に返せるのかな?

それがそうでもなさそうなんだよ〜

 

たとえば僕の同期の研修医の大学ではこんなこともあったそうです。

  • 途中辞退しようとして他県の病院へマッチングを出し、初期研修の内定が出た後に大学の偉い人からその病院へ直接連絡が行き内定を取り消された
  • 奨学金借りてる人たちを集めて面談をし、ややパワハラ気味の念押しをされた(二度と医者として働けないぞ 等)

 

 

めちゃくちゃブラック

医者の世界ってそういうこともたまにあるじゃん

 

医学部の返済免除の奨学金を借りる際には途中でやめることはほぼ不可能と心得ましょう。

 

医学部、返済免除の奨学金|注意点③勤務先は地方に限定される

 

医学部の返済免除の奨学金を借りることで勤務先は地方に限定されます。

 

例えばこう言った希望は通りません。

  • もっと都会に住みたい
  • 他県でも勉強してみたい
  • 大きい急性期病院でバリバリ働きたい
  • 恋人と同じ勤務地域が良い

 

たとえ学生の時に結婚したい相手がいたとしても相手が他の奨学金を借りてたり、他の医局に入りたいなどの希望があれば奨学金が理由で別れるということもあるのです。

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僕の同級生も何人か奨学金が理由で別れたな〜

 

また勤務先の希望がどれだけ通るかは不明です。

一応、要項には「本人と相談のうえ勤務先を決定する」と書いてある場合もありますがそれもそこまで考慮されるか怪しいです。

 

そもそもこの奨学金は地方での医師不足を解消するために設けられた制度です。

なのでこういう風に考えられるのも当然だと思います。

本人の希望<<<医者の需要

 

もしかしたらめちゃくちゃ僻地に飛ばされるという可能性も大いにありうる話なのです。

どういう病院へ指定されるかはわかりませんが、労働条件を選べないということをよく知っておく必要があります。

 

地方の医師の過労死なども時々ニュースで見かけるので気をつけたいところですね。

84日連続勤務で医師が過労死 地裁、病院に賠償命令:朝日新聞デジタル
 長崎市の病院で働いていた男性医師(当時33)が2014年に亡くなったのは過重労働が原因だったとして、病院を運営する長崎市立病院機構に遺族が損害賠償など約4億円を求めた訴訟の判決が27日、長崎地裁であ…

 

医学部、返済免除の奨学金|注意点④診療科の制限もあり

 

返済免除の奨学金を借りて医学部に通うことによって、選択できる診療科も制限される可能性があります。

 

たとえば僕の地元の奨学金利用者は制限があり、内科か整形外科しか選べないとのことです。

たしかに地方の医師不足を解消するための制度なので、その地域に需要のある診療科に制限されることはありえます。

 

また仮に診療科の選択が自由だとしても指定される勤務先によってできることが限られます。

  • 外科系に行ったけど手術器具がない
  • 救急になったけど救急車が来ない
  • その逆にその地域の救急車全部受け入れなくてはならない

 

このようなことは十分考えられ、「環境によって自分がしたいと思った医療ができない不自由さ」を受け入れ働かなくてはなりません。

将来的にここまで考えて奨学金をもらうということはとても難しいとは思いますが、不自由さを覚悟した上で決めるようにしてくださいね。

 

まとめ|返済免除の奨学金で医学部に行く際にはご注意を

 

今回は返済免除の奨学金を借りて医学部に行く際の注意点をご紹介しました。

僕がこの記事を書いた理由はネットで調べてもあまりこの手の奨学金についてのリアルな情報がなかったからです。

 

その理由はこのように考えられます。

  • 医学部の返済免除の奨学金制度ができたのは比較的最近(2007年以降?)
  • 制度自体が年々変化していっている
  • 大学や地域差が大きく説明しづらい

したがって気になる点があったら、ぜひ運営本部に問い合わせてみることをおすすめします。

 

僕は家庭の事情により6年間この奨学金を借りることでようやく医学部に行くことができたので、あのとき他の選択肢を取れたのかと言われればわかりません。

しかしながらこの現状をもっと早く知り、早くから将来に備えておけばよかったなと強く思っています。

 

さまざまな事情で奨学金を借りる方もいるかとは思いますが、自分の現状をしっかり把握することが大事です。

この記事によってより自由に医師として働くことができる人が増れば幸いです。

 

もうすでに借りてしまったという人に向けて対策方法についてまとめました。

↓ぜひ参考にしてみてください↓

医学部の返済免除の奨学金を借りてしまった後に備えるべきこと

 

なお気になる点や質問等ありましたらお気軽にご連絡ください。

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今後も情報共有していこうという話にもなりましたのでTwitterのDM等でご連絡いただければ紹介いたします。

 

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