
研修医のレポートがめんどくさい。
やらなきゃならないのはわかってるんだけどやってないや。
参考文献に論文とか読まなきゃならないのかな。
こんな疑問を解決します。
初期研修の必須課題でもある研修医レポート。
これって考察の根拠を探したり先生の承認をもらったり、わりとめんどくさいですよね。
私はこの研修医レポートをなんとか工夫して1年目ですべて終わらせることが出来ました。
それも論文などの小難しい文献を読まずに最小限の労力で、そこそこの高評価をいただくことが出来ました。
そこで今回は最短で終わらせられる研修医レポートの書き方を3つのポイントに分けて解説したいと思います。
この記事を読めば研修医レポートをなんなく完了させることができると思います。
ではさっそく見ていきましょう!
この記事の信頼性
- 現役研修医が執筆
- 1年目で研修医レポートを完成
- 1つのレポートにかかった時間は30分程度
① 研修医レポートについて理解してあらかじめ準備をしておく
研修医レポートを最速で終わらすためには何よりも準備が必要です。
「戦いの前にはまずは敵を知るべし」ここでは研修医レポートについて解説したいと思います。
これを読めばレポートの作成のために必要なことは何かわかりますよ。

レポートの内容についてもう知っている人はここを飛ばしてね!
研修医レポートの課題項目
研修医のレポートには症状20症例、疾患10症例が課されています。
具体的には以下の通りです。
症状10症例
- 不眠
- 浮腫
- リンパ節腫脹
- 発疹
- 発熱
- 頭痛
- めまい
- 視力障害、視野狭窄
- 結膜の充血
- 胸痛
- 動悸
- 呼吸困難
- 咳・痰
- 嘔気・嘔吐
- 腹痛
- 便通異常(下痢、便秘)
- 腰痛
- 四肢のしびれ
- 血尿
- 排尿障害(尿失禁・排尿困難)
疾患10症例
- 脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)
- 心不全
- 高血圧症(本態性、二次性高血圧症)
- 呼吸器感染症(急性上気道炎、気管支炎、肺炎)
- 食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)
- 腎不全(急性・慢性腎不全、透析)
- 糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖)
- 認知症(血管性認知症を含む)
- 気分障害(うつ病、躁うつ病を含む)
- 統合失調症(精神分裂病)
これらの症例を受け持って下の画像のような感じのレポートを提出しなければなりません。
このときの注意点としてはこんなところです。
- 「症状」の課題は外来患者でもよい
- 「疾患」の課題は入院患者を受け持ち、それぞれ1枚づつレポートを仕上げる
- 「症状」の課題は1枚のレポートにいくつかまとめてもよい
例えば、「症状」の「12 呼吸困難」と「13 咳・痰」を同じレポートで提出して大丈夫です。
また「4 呼吸器感染症」の「疾患」レポートを書く時に「症状」の「12 呼吸困難」と「13 咳・痰」を1枚のレポートにまとめてOKです。
しかしながら「疾患」の「2 心不全」と「3 高血圧症」をまとめて書くことは不可となっています。
2020年度から制度の変更がありました。
29症候、26症例に増えレポート作成の詳細はいまだ公表されておりません。
わかり次第追って更新しますが各病院でも異なるかと思われますので、確認してみることをおすすめします。
対策部分については変わらないかとも思いますのでよければ参考にしてみてください。
落としがちな症状の課題に注意
研修医レポートのうち、つい落としがちな症状の課題に注意しましょう。
たとえば「3 リンパ節腫脹」や「結膜の充血」などは日ごろから注意深く身体所見を取ってないとなかなか見つけることができないと思います。
そのためにも課題の項目を頭に入れといて「この症例レポートにできるかも」と思い出せるようにしておくと良いでしょう。
そうすれば最後にカルテをさかのぼって、思い出しながらレポートをしあげるなんてことにもならずに済みますよ。

この記事や課題の項目をスクショして手元に置いておくと便利だよ!
研修医レポートの題材になりそうな症例の退院サマリーは特に丁寧に書く
ふだんの仕事のなかで研修医レポートの題材になりそうな症例があったら退院レポートを特に丁寧に書いておいてください。
退院サマリーを丁寧に書いておけばそれをそのまま「患者概要」に当てはめることができるからです。
時間が経ってからカルテをさかのぼってまとめるのに比べると楽さが全然ちがうのでぜひ頑張ってサマリーを書いておきましょう。

卒業まぎわにレポートを残しておくと引越し準備とかに追われて大変だよ!
② 研修医レポートをどこの科で何を書くか考える
研修医レポートの課題内容がわかったら次にすべきことはどこの科で何を書くか考えて症例をまとめましょう。
このときに意識するべきは以下の2つです。
- 「症状」はなるべくまとめて1つのレポートにする
- 承認を得やすい指導医の症例をレポートにする
「症状」は1つのレポートにまとめて枚数を減らす
「症状」のレポートは1枚のレポートにまとめて大丈夫なのでなるべくまとめて「疾患」のレポートに入れてしまうと各枚数を減らすことが出来ます。
たとえば先ほど言ったように「12 呼吸困難」と「13 咳・痰」の症状を別々にレポートにするのではなくて、「4 呼吸器感染症」の入院患者のレポートに含めて合わせて1枚をつくると労力が減ります。
可能であれば全部の「症状」を満たすことができる10の「疾患」を選んでおいて10枚のレポートで終わらすことができれば理想ですね。
承認を得やすい指導医の症例をレポートにする
研修医レポートは指導医の承認さえ得られればあとのチェックはとてもゆるいです。
したがってレポート作成から指導医の印鑑を得るまでが山場です。
たとえば僕はあるレポートを総合内科で提出したのですが、その先生はとても厳しく3回ほど再提出したあげく一緒にまとめた「症状」に関しては認めてもらえませんでした。
しかしながら逆に呼吸器内科の先生はとてもゆるく、提出したレポートをその場で承認してくれました。
このように提出する指導医によって全然難易度が違ってきます。
1つ上の先輩に聞くかなんとなくの雰囲気で、ゆるそうな先生の科で症例を集めましょう。
③ 研修医レポートを書く際は内科診断リファレンスを参考にする
参考文献は内科診断リファレンス1冊で終了
研修医レポートの参考文献は「内科診断リファレンス」とう医学書を参考にしましょう。
これ1冊あればずべての症例の考察を十分かけます。
その理由としてはこんなところ
- あらゆる疾患が網羅されており、診断から治療に至るまでの根拠が載っている
- エビデンス元が必ず併記されているので考察の「裏付け」として利用できる
このためレポートを書くうえでこれほど便利なものはなかなかありません。

ポリクリのレポートや簡単な発表でも毎回利用できるよ!
「4 呼吸器感染症」を書くときの例
この本で「4 呼吸器感染症」レポートを書くときの具体例を紹介します。
たとえば肺炎を症例とした場合
このページから引用して細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別を「考察」とすることが出来ます。
このとき下の引用論文を参考として記載すればこれだけで「それっぽい」レポートの出来上がりです。

もはやレポートを書くために作られた本と言っても過言じゃないね
こんな感じで他の症例についてもこの本1冊だけでレポートを書くことが出来たので超簡単でした。
難点としては8000円と少し値段が張るところ。
ただし研修医中に何度助けられたか分からないほど必須の研修医本で、これさえあれば他の網羅的な医学書は必要ないので絶対に持っておきたい1冊です。
いろいろな本を漁って無駄な時間を使うよりもこれ1冊を辞書がわりに使って時間を節約しましょう。

病棟の飲み会1回分と考えれば安い物だね
ジェネラリストのための内科診断リファレンス エビデンスに基づく究極の診断学をめざして /医学書院/上田剛士
研修医におすすめの本【最低限まず買うべき5冊だけを厳選紹介】
まとめ|研修医レポートの書き方
今回はだれでも簡単に研修医レポートを終わらせる方法について解説しました。
内容をまとめると
- まずは課題の症例もふくめてレポートの内容を知る
- なるべく症例をまとめて各枚数を減らす
- 承認を通しやすい先生に提出する
- 内科診断リファレンスを参考に考察を書く
あとに回して2年目の最後に慌ててレポートを書き始めることのないように、ぜひ早めに準備を始めてくださいね!
それでは快適な研修医ライフを!
参考記事
教科書は捨てるな!医学書・専門書のおすすめ買取方法【体験レビュー】
研修医におすすめの本【最低限まず買うべき5冊だけを厳選紹介】
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